ベトナムの看護師・介護福祉士候補就労開始

平成21年10月、日本・ベトナム間の経済連携協定(EPA)が発効されました。
(Economic Partnership Agreement :EPA)

ベトナム看護師この協定は物品・サービス貿易の自由化や連携強化を図り、両国の投資活動の拡大や経済関係の強化を目的としており、幅広い分野での協力について締結されました。この協定に基づき、平成26年6月にベトナムからの看護師・介護士(介護福祉士)候補者の受け入れ第1陣が行われました。EPAに基づく看護師・介護士候補の受け入れは平成20年のインドネシアに始まり、平成21年のフィリピンに続いて今回で3ヶ国目の実現となります。

そして去る平成26年8月15日、看護師候補者21名、介護士候補117名の計138名が2ヶ月の研修を終え、受け入れ先である病院・介護施設での就労を開始しました。候補者たちは現場での経験を積みながら、看護師・介護福祉士の国家試験合格を目指すこととなります。

候補者たちの現状は・・・

先行して来日したインドネシア・フィリピンの候補者たちの現状は、決して明るいものとはいえません。まず候補者は看護師で3年、介護士で4年以内に国家試験に合格しなければならず、期間内に合格できなければ帰国しなければなりません。候補者の平成25年度国家試験合格率は看護師で10.6%、介護福祉士においても36.3%となっており、日本人を含めた全体の合格率である看護師89.6%、介護福祉士64.6%と比較すると極めて低い水準となっています。これは知識的・技術的な問題以上に、専門用語を多数含む日本語で書かれた試験問題を読まなければならないという言語的な壁が高いと言われています。難読漢字にルビを振るといった対応は行われたものの、合格率の上昇に結びついていないのが実情です。

また、現状この看護師・介護士候補の受け入れは、あくまでも経済活動の連携強化を目的としており、介護業界における人手不足に対応する為のものではないとされています。候補者に課せられた厳しい残留基準や、受け入れる施設側にも日本語習得などを含めた人材育成の為に少なくない費用がかかる他、身につけた看護・介護技術を母国で活かしたいと考える外国人労働者も決して少なくありません。
労働力不足を解消する手段としての候補者受け入れ拡大は議論が続けられていますが、日本人介護士の就業機会が減少する危険性があるという懸念や、外国人労働者の存在は将来に渡る労働人口の拡大には繋がらないといった指摘もあり、未だ多くの課題を抱えています。

慢性的な人材不足を抱える日本の介護業界において、今後どのように人材を確保していくのか。経済のグローバル化が進む中で、日本全体として、どのように優秀な人材を確保していくのか。 ベトナムからの看護師・介護士候補者のこれからに注目が集まります。

【関連リンク】
[日/ベトナム経済連携協定に基づく、初めての看護師/介護福祉士候補者が病院/介護施設での就労を開始します]厚生労働省 link
[日本/ベトナム経済連携協定]外務省 link


関連記事