女性管理職の引き上げには何が必要か。

女性管理職の引き上げには何が必要か。

女性の社会進出が活発化しているが、それでも女性管理職は非常に少ないといった実態がある。

そうした中、どのようにすれば女性管理職を増やせるかについて着目していきたい。

 

企業の雇用システムの側面。

女性活躍を進めて行けるかどうかは、大枠で企業の雇用システムに規定されている。

わが国の雇用システムの特徴としては大きく次の3つとなる。

①現業(ブルーカラー)労働者が幅広い業務をこなす熟練とそれに対する処遇。

②ホワイトカラーの管理職における「遅い選抜」。

③女性が活躍していない。

上記の②、③の特徴は関連している可能性があり、「遅い選抜」の方式においては、女性が昇進の候補となる時期が第1子出産の時期より遅い場合が多く、そのため出産を機に辞める人や、企業に残ったとしても昇進を希望しないか、希望できなくなる。

課長になる平均スピードを、常用労働者300人以上の企業で見た場合、0~9年が8.3%、10~14年が13.5%、15~19年が28.5%、20年以上が35.1%で、中央値の18年より短い企業を「早い選抜」企業、18年以上の企業を「遅い選抜」企業とする。

「早い選抜」企業では女性管理職(課長以上)の割合が、平均7.8%と、「遅い選抜」企業の平均5.0%と比較すると高いが、このことからただちに女性管理職を増やすために昇進を早くすべきといった結論には至らないだろう。

あまりに「早い選抜」となれば、有能な管理職の見極めと育成にあたり、多くの管理職候補から絞込み、より適切な人材を選定することができなくなるといったデメリットもでてくる。

 

女性管理職の育成には企業がどれだけ熱心かで変わる!?

女性管理職の育成を妨げるひとつの大きな要因が出産で、育児と仕事を両立できるかどうかは、女性にとって重大な関心ごととなる。

それに対し、企業側はどれだけ熱心に取り組めるかと昇進スピードは関係してくのだろうか。

ワークライフバランス(仕事と生活の調和)に関する企業の熱心さの度合いを測ると、「遅い選抜」である企業ほどワークライフバランス施策に熱心で、出産しても辞めない女性が多かった。

「遅い昇進」慣行の企業ほど、男女にかかわらず従業員の能力、技量の見極めや育成に時間をかけており、育成期間中に辞められては困るので昇進慣行は基本的に変えず、ワークライフバランス施策を充実させることが効果的であるとの判断に基づくと考えられ、入社から課長になるまでの初期キャリアにおいて、どれだけ男女均等の度合いを高められるかがポイントとなる。

 

工夫を凝らすことで女性の昇進も可能!?

「雇用展望」の分析によると、わが国は調査対象23カ国で男女賃金格差(全体平均)が最も大きい。その理由として技能の男女差を挙げている。これはしっかりと技能を身につけられる女性が増えれば、着実に女性の地位が向上するだろう。

また、休業や短時間勤務がキャリアにはさまると残業込みのフルタイム出勤で働き続ける男女よりも昇進が遅れる可能性があるが、休業からの復帰時の工夫や仕事の進め方、短時間勤務の処遇を工夫すれば、それほど昇進は遅れないだろう。

その他、女性の管理職を増やすには、全体として女性の意欲を経済面から大きく向上させるために、公的年金の第3号被保険者(専業主婦などが対象)を廃止することが必要となるだろう。

企業はもちろん、社会全体での取り組みが求められる。

 

【「日本経済新聞」より一部抜粋。】


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