これからは生涯現役の時代?高齢者の雇用いろいろ。

現在、日本における60歳以上の高齢者は全人口の約3割、4000万人を超えるとされています。高齢者が増え続ける中、「数多い若者で数少ない高齢者を支える」という考えの下で運用されてきた公的年金制度は改革の必要に迫られ、その一つとして平成25年から年金支給開始年齢の引き上げが始まることとなりました。

生涯現役かつて60歳であった支給開始年齢は段階的に引き上げられ、平成37年に65歳支給開始となる予定です。これに伴い、多くの企業が採用している60歳定年制度では定年から年金の支給開始の間に無収入となる期間が生じてしまうという懸念を解消するべく、平成16年、高齢者雇用安定法が改正され、定年の引き上げや定年自体の廃止、または退職後の再雇用といった制度の選択・実施が企業に課されました。また平成24年には、労使合意に基づく一定の基準によって再雇用を拒否することが可能であった仕組みが撤廃され、企業は再雇用を希望する労働者全員を必ず雇用しなければならないと定められました(例外的に、平成37年までに年金受給年齢に達した社員は、前述の基準に従って再雇用の拒否が可能です)。

高齢者雇用のメリット・デメリット

高齢者の雇用によるメリットは、個人・企業・社会という三つの側面が存在します。
高齢者が働くことにより、本人は金銭面の不安を抱えることなく年金の支給開始を待つことが出来るという個人的メリット。ノウハウを持ったベテラン社員を長く雇用する事で、若手への技術継承をより長いスパンで行える企業的メリット。そして社会的なメリットとして、労働人口が増える事により社会保険料が増収になることが上げられます。加えて、希望する高齢者が働けず生活の困窮に繋がった場合、その生活は社会保障によって支えられなければなりません。すなわち働く若者の負担が更に増える状況を回避することが可能になるのです。

勿論、良いことばかりではありません。経団連のアンケートによると、全ての社員を65歳まで雇用することになった場合、若手の採用を減らす事を検討する企業は、40%近くに上ることが明らかになっており、高齢者によって雇用の椅子が奪われることを心配する声が上がっています。ですが前述のように、無職の高齢者が増えれば、その生活を支えるのは若者であり、結果として高齢者を労働市場から締め出すことは若者にとってもデメリットの大きい話となるのです。このバランスをどのように取り、高齢者・若年者双方にとっての利益とするかは今後の課題といえるでしょう。

高齢者の雇用に関する各種助成金の整備や労働局主催の企業向けセミナー実施など、高齢者雇用は重要課題の一つとして位置づけられています。日本社会の一員として、一人一人がこの問題を自分のこととして考えていくことが必要です。

【関連リンク】
[高齢者の雇用(事業所向け)]厚生労働省 link
[高年齢者雇用セミナー開催のご案内]横浜労働局 link


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